不満は未来への原動力ではあるが
良くも悪くも、あまり不満を抱かないことに対して危機感不足を指摘されることがある。現在の自分に不満を抱いたところでどうなるものでもないという諦観や折り合いがついてしまっているため、やはり危機感を抱くべきかと思い直すこともある。守るべきものが少ないまま進んでいく人生は、ぬるま湯のように心地が良い。
ゼネラル・モーターズの重役が広告業者の全国大会で、「広告の目的はできるだけ多くの人に、いま持っている物に不満を抱かせることだ」と講演したという話も残っています。
広告に限らず、現代社会は現在への不満を抱かせるための物事で溢れかえっている。不満を抱くからこそ、それを解決するための事物が金や運動量になっていく。不満は未来への原動力ではあるが、「現在」は燃料として消費され続け、やがて死に至る。