太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

iPhoneを解約して再検討するスイスアーミーナイフ二天一流

iPhone解約しました

 前回のエントリにおいてデジタルとアナログを併用したスイスアーミーナイフの二天一流のアナログ小太刀への追求を行った。しかしながらデジタル大太刀については無批判にiPhoneを受け入れており、追求が不十分であったと言わざるを得ない。そこで、スイスアーミーナイフとしてのiPhoneを分析し、また前回見逃していた所持品についても検討することとした。前提として私の回線状況はドコモ(休眠)、AU(会社支給)、ソフトバンク(iPhone)となっており、ソフトバンクから購入したiPhone 4 黒16GBをメインで使用している。「最初からSIMフリー版買えよ。情弱乙」という意見がでるであろうことも理解できるが、同じ機器をもう一個買って契約しなおすのはつらいんや。。。

 ソフトバンクによるiPhoneに対し、自分の感想を「可能(達成度)-不可能(代替困難度)」軸とそれによる「満足-不満」度を表す軸を用いて分析すると以下のようになる。ここでいう「代替困難度」はSIMフリー版のiPhoneや外付けの機器によって擬似的に達成することも可能な場合もあるが、経済的合理性が低い場合や巨大化や煩雑化を伴う場合であっても高いと見なす。

 上図において、各エリアは以下の区分に分類される。

  1. 可能-満足・・・達成可能であり、満足している。使用する動機となりえるもの。
  2. 可能-不満・・・可能であるが十分ではなく不満である。またはある必要のないもの。
  3. 不能-満足・・・機能が存在しないが特に不満を感じない。逆にあると邪魔になるもの。
  4. 不能-不満・・・機能が存在しないため不満に感じるもの。

 自分がiPhoneを使う場合において2や4で感じる不満を些細なこととして感じるほど1の要素が素晴らしいとも言えるし、1の要素が大きいために、2や4に対しては渋々目をつぶっていたとも言うことができる。3はできるようになってもOFFにするであろうため、iPhone単体の話にはあまり影響ない。タイトルで盛大にネタバレしているが、他の機種を検討するのにあたって規約的、ハードウェア的な結合によってOFFにできないものであったらマイナスとなるため挙げている。

 僕は「ソフトバンクのiPhone」に不満を感じているのであった。緊急時に繋がらない電話に、テザリングできないのに高いパケット料に、財布を圧迫するカードに、独自ケーブルに、動かないFlashに、アプリに規定されるサービス縛りに、不完全なマルチタスクに、日本語入力に、小銭の要求に。それでもインターフェイス、iTunes連携、豊富なアプリ、高精細ディスプレイ、安定した動作に魅力を感じて使っていたのではないか。否、否、否、それでは別のものであっても代替できるということではないか。

 不満の矛先には的外れなものもある。すなわち2刀流に拘るあまり、本来的な意味でのトータルコーディネートを誤っていたのではないか。極端なことを言えば財布であってもメモ帳であってもiPhoneに貼り付けて一体化することもできようが、それをしなかったのは全てを兼ねるから良いというわけではない事を認識していたからなのではないか。前回のエントリで触れていない機器であるイヤフォンに着目すると実は最初から三刀流であった。iPhoneを持って操作している場合に耳と手は離れているからイヤフォンを直接付けていると邪魔になる。このためiPhoneとイヤフォンはBluetoothによって分離して存在しているのがベストプラクティスであろうという判断が行われている。また高速通信が不能なことやテザリング、iTunesストアの20MB縛りについてはモバイルWiFiルーターを持つことで解消できる。

 それではEdyやポイントカードはiPhoneから分離しても問題ないのであろうかといえば、これは否である。あらゆる物理的存在を取り込んだミニ5手帳ははただでさえ巨大化しがちであり、不要なカードを持ちたくないし、カードを選択するという行為そのものが間違えであると前回述べたとおりである。その他の点においてもiPhoneからの分離を解禁したところで不満が解消されるのであろうかと考えると、実はほとんど解決不能であることがわかる。ハードウェア・ソフトウェア的に統合され、サンドボックスであるが故に手がだせないのである。もちろんガラパゴス携帯と合わせて2つ持ちすることも可能であるが、煩雑であるし既に会社携帯を持っていることを考える3つ持ちとなって無理がある。バッテリーについても外付けバッテリーを持ち歩く前提はおかしな話である。このため実質的に分離可能であるのはBluetoothイヤフォンとモバイルWiFiルーターのみであると考えられよう。

ガラパロイドが良いのかもしれない

 そのような前提においてガラパゴス機能付きAndroidケータイ(ガラパロイド)が選択肢として挙がってくる。「不能-不満」によって左下にプロットされているものほど、可能になれば不満は満足に大きく反転する。既にドコモユーザーかつ大太刀へも密度を求める自分にとって最良なのはN-04CことMEDIASであろう。3ヶ月後に防水モデルがでるものの、デザインがダサくなったのとセンサーキーになったといった理由があり、今のモデルの方が個人的にはよいと考えている。(値下がりを狙うなら3ヶ月待ったほうがよいだろう)

 iPhoneとMEDIASを比較するにあたり、改善点を青で、改悪点を赤で示す下図のようになろう。大方の不満は解消されることが期待できるものの満足だった部分がいくつか改悪されるのではないかと懸念される。個々の要素の詳細な評価理由については割愛するが、画面が縦に大きくて、薄く、ガラパゴス機能が動くAndroid2.2端末であるという前提において大きな乖離はないであろう。

 改悪点はある。しかし私は二刀流に拘るのをやめたのでなかったか。iPhoneにおいて分離が許されたBluetoothイヤフォンとモバイルWiFiルーターはMEDIASにおいても許されている。

 まずWiFiルーターによって高速通信とテザリングは解決できる。自分はEモバイルの「Pocket WiFi GP01」を利用して自宅兼用で使っている。ちまたではWiMaxルーターが人気であるが、Try! Wimaxをしたところ、地下鉄や郊外の住居といった自分の活動フィールドでは満足に使えない場合が多いためEモバイルを利用している。モバイルWiFiルータを使用するにあたってソフトバンクのパケットし放題 for スマートフォンの最低パケット料金運用をする場合であっても月額980 + 1,029 + 300円かかるのであるが、ドコモのパケホーダイシンプルは下限0円かつ無通信の場合はプロバイダ料金がかからないため、0円となる。自分は以下の料金プランで家族通話無料、友人とはSkypeという感じで月額787円+通話料で運用できている。

  1. タイムシンプルバリュー
  2. パケホーダイシンプル
  3. ファミ割MAX
  4. spモードなし

 ただし今年3月からの購入サポート制度が改悪されたためパケホーダイシンプルは購入サポート(月々サポート)の対象からは外れる。もっとも機種変更でのサポート額は少なく、端末料金における途中解約・機種変更の違約金がなくなったので実質的な損はあまり無いのであるが残念ではある。またWiFiルータを使用していると携帯電話での3G通信を行わないためバッテリーの持ちが非常によくなる。これはバックグラウンドでの通信が許可されているAndroidにおいてより顕著となる。

 そしてもうひとつの分離物であるBluetoothイヤフォンであるが、受信部や操作部によって最初から無視できる大きさではなかった。完全にコードレスのBluetoothイヤフォンも存在するが、バッテリーや操作体系に無理がある。自分はMW600 | アクセサリー | ソニーモバイルコミュニケーションズを使用しているが、ios4.3になってから(恐らくAirPlayとの競合によって)失敗しがちになったペアリングを気にしたりするのに疲れたし、そもそもスマートフォンにはアプリやEvernoteが入っているため音楽が十分に同期できなかったという問題がある。32GB版を買えばよかったというのもあるが、自分の(現に買い替えを考えてる)性格を考えて余計な出費をしたくなかったのである。

 そのような要素を考えるとマルチタッチに対応しBluetooth受信部と大差ない大きさで16GBの容量の新しいiPod nanoを持った方がよいのではないかという思考となる。MEDIASの黒とiPod nanoのグラファイト色もよく合っている。またBluetoothイヤフォンをiPod nanoに持ち替えることで、懸念点であったiTunes同期を委譲することが可能となる。AndroidによるiTunes同期アプリも存在するが、やはり垢抜けないし、完全な互換も難しい。Podcastが好きなので頻繁な同期が面倒なのは困る。そこでiPod nanoを持つことでiTunes互換や記録容量、バッテリーといった要素を保存したまま止揚できる。まさに正反合。はじめて。こんnano。iPod nanoにBluetooth受信機能も付くと最高なのであるが、それは高望みというところか。

 残りの懸念点を検討しよう。携帯メールとFacetimeはそもそも使わないので良いとして、以下の要素の悪化が懸念される。そして、これらはiPhoneそのものであるとも言える。

  1. アプリ充実度
  2. 安定動作
  3. インターフェイス(ハードウェアキー)
  4. 画面デザイン

 アプリの充実度に関していえばiPhoneの方がそのエコシステムとGUI標準化を含めたAPIによって質が高いアプリが多く存在するという事に異論はない。ただしアプリには以下の2種類あって、私が使うものは2のものが中心ではなかったか。

  1. スタンドアロンで動作するアプリ
  2. Webサービスをより使いやすくするアプリ

 そして上記2のアプリについては「【神アプリまとめ】Androidのスマホ買ったけど、とりあえずどのアプリ入れべき? : 【2ch】ニュー速クオリティ」などで見られるように揃ってきている側面があるのである。また本来的にはFlashやhtmlで十分だったものがアプリで提供されていたことが多いのではないかと思われる。EvernoteやTwitter、DropboxなどのWebサービスにおいて、Android版クライアントがないから使わないといったサービスはほぼないし、iPhoneで縛るのであればその程度のサービスであったということであろう。むしろAndroid版のEvernoteクライアントはショートカットやウィジットによって使いやすくなっているためFasteverなどのアプリは必要なくなったと言える。アプリが自由にできる範囲が大きいため、利便性はむしろ高まることが多い。それはTwitterでもDropboxでも同じである。(以前のエントリでは発想支援系のスタンドアロンアプリについても重点をおいていたが、このへんは結局紙の方がよいと判断しているため重要度が下がっている。)

 インターフェイスやハードウェアキー、安定動作などについては、よくなってきているが、まだ微妙と思うところもある。自由の反面として安定しないこともあるし、インターフェイスについてはiPhoneアプリを多用したあとだと「戻る」ボタンと「メニュー」ボタンについては、失敗だと思う事も多い。インターフェイスが直感から外れた2択になるため扱いづらいのだ。これはメニューボタンまで遠いタブレット端末でより顕著となる。またAndroidアプリでは、なぜかスワイプが嫌われるところがあるので、そのへんも改善の余地があるだろう。画面デザインについては自由度もAndroidの方が高いのであるが、センスの違いというものもがあるかもしれない。自分はPanda Home2というホームアプリにiPhoneスキンをインストールしたりしていろいろとアレなことになっている。

 iPhoneは十分に魅力的であるが、しかしAndroidで本当に代替できないかといえばそんなこともなく、逆にソフトバンクと結合したりおサイフケータイと分離している点において不満を感じているというのが実情である。そしてiPhoneが特出している部分との差もだんだん小さくなっており、逆にAndroidの特色が相対的に使い易いことも増えてきている。つまりマルチタスクとインテント、バックグラウンド通信にソフト・ミドル・ハードウェアのそれぞれの観点から追いついてきているのではないかと思われる。そう考えるとiPhoneを解約して問題ない気がして、実際解約して不便ない自分がいる。MEDIASによる改善を青、WiFiルーター・iPod nanoによる改善を紫、改悪を赤とすると下図のようになる。

 上図のようにデジタル大太刀について2刀流に拘らず最適な装備を検討すると3つ機器に分解することができ、それを連携して活用することで相対的な満足度を高めることが可能である。ここで持ち歩く機器は増えてはいるように見えるが、Bluetoothイヤフォン、電子マネー、予備バッテリー、PC用モバイルカード(自宅含む)といった見えにくい所有物をオミットできると考えるとむしろ減っている。もちろんiPhoneも魅力的であるが、持ち物を減らしたいという前提においての不満も多いのは述べたとおりである。iPhoneが統合的な使い勝手を重視するのに対して、Androidでは分割した機能を組み合わせることを重視するように機器構成の依存関係にも色がでてくる。それは時や金で解決することなのかもしれないが、私は今を生きているのである。つまり俺の嫁はクールによって変わりえるが、今ここで愛しているのはMEDIASなのである。iPhone、イラネ

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