太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

ITエンジニアのための文具王手帳徹底活用術

システム手帳への悪魔的偏愛

 ペーパーレスやら電子書籍元年やらと言われて久しいです。会社では提案資料や設計書などをコンピュータで作成していますし、PDFやPower Pointを投影して説明を行い、会議中その場でコンピュータに入力して議事録を作成する事が慣例となってきています。私個人でも電子書籍や自炊PDFをSony ReaderやNexus 7で読むようにして本棚の圧縮を計っていますし、このブログもコンピュータに入力した文章である事は言うまでもありません。

 紙は死んだ。かつてニーチェは「神は死んだ」としてキリスト教の宗教的道徳を批判し、この世における真理・善・道徳こそが重要であると訴えました。同様に紙はある観念について言語や図形で映し出す中間媒体であると言え、近年までの紙に対する過剰な宗教的道徳は批判されるべきでしたし、超克されてきたといえます。

 紙束はデジタル媒体に比べて密度が低いために、物理存在として大きくなるほどに必要な情報への到達可能性が低くなり、この世のためのものではなくなっていきます。経年劣化や検索効率の悪さについても気にする必要があります。それでも私が紙束を統べる形でシステム手帳を使っているのは以下の様な理由です。

  • 入力が早い
  • 概略を掴みやすい
  • 発想しやすい
  • 安価な入出力装置
  • 受け渡しの容易さ
  • 論理結界下での活動可能性の高さ
  • DRMフリー
  • 陳腐化が遅い

 紙の入力の早さは言うまでもありません。例えば電話中や会話中に図表を含んだ走り書きをする場合において未だに紙を越えるものは難しいです。コンピュータはもちろん。ペン入力可能なタブレットやスマートフォンであってさえ常に入力画面が開いているわけではないし、完全な追随ができるわけでもないからタイムラグが生まれてしまします。紙こそがもっとも追随能力が高い単機能の追加画面です。

 また概略の掴み安さや発想のしやすさは図表入力や強調表現の簡易さによるアナログ故のライブ感によるものと思われます。そして媒体として物自体に入出力装置を内蔵した状態における単体コストが低いために受け渡しへの前提条件が少ないです。バッテリー消費もありません。

BYODとしてのシステム手帳

 以上までが一般的な紙のメリットですが、IT企業に勤めている私にとって最重要なメリットは「手帳はシステムセンターにBYOD可能なデバイスである」ということが挙げられます。ここでいうBYODとはBring Your Own Devceの略であり、自身のデバイスを職場に持ち込んで業務に活かすということです。

 ノマドワーカーの方々にとって自前のMacbook Airが持ち込めない現場は地獄なのかもしれませんが、セキュリティという論理結界下にあるシステムセンター内に私物パソコンが持ち込めるわけもありません。持ち込める電子機器はせいぜい私物携帯電話ぐらいで、それでもマシンルームに入る時に預けなければなりません。万が一マシンルームに入れてしまうと始末書を書いたり、個人情報保護当の観点から内蔵データをフォーマットしてからでないと持ち出せなくなる可能性すらあります。

 しかし「ノート」であればマシンルームまで持ち込み/持ち出す事が一般的には可能です。そしてマシンルームに「ノート」いう範疇で持ち込み可能なデバイスの最大スペックのひとつがシステム手帳となります*1。紙は神のごとくデジタル排除結界の影響を受けにくいので、マシンルームというデジタル空間においてこそ、システム手帳はその強さを逆説的に発揮できるのです。

概念という名の悪魔召喚

 コンピュータやインターネットにいくら情報を詰め込んでいても、<私>の有効範囲にないのであれば存在しないのと同じ事です。これはデジタル界にある概念を物理界に取り出すためにはインターフェイスが必要という事です。さればシステム手帳は論理結界化において概念という悪魔を現実界に物理化するための召還装置なのではないでしょうか。

 それに加えてシステム手帳はバインダーからリフィルを取り外してのEvernoteにスキャンしてまた戻す事ができるためにデジタル転生として禁断であったはずのページフィード型の「非破壊複写」が行えるという最大の構造的優位性を持っています。。まさに『女神転生―デジタル・デビル・ストーリー』でいうところの悪魔召還のためのCOMPであり、それを活用する201Xは「女紙転生」の時代なのです。

ちょっと良い文房具を使う費用対効果

 三菱鉛筆が最高益になるというニュースがありましたが、これは企業での文房具の備品購入が減ったかわりにBYODとしての個人購入が必要となり、そこでちょっと良い文房具を使う効率の良さに気付く事で中価格帯の機能重視ブランドが継続的に購入されるようになったからであると推測されます。物理として完成されている文房具は陳腐化速度が遅いですし、紙はスキャナで取り込んでもDRMフリーなのでロックインされる心配がありません。

8年のリーマンショックでは、筆記具メーカーを「経費削減」というショックが襲った。この結果、「備品」としての大量購入は減った。だが筆記具なしに仕事はできない。「会社の備品なら文句はいわないが、自腹で買うならよいものを選びたい」という嗜好から、店頭での小売販売は踏みとどまった。機能開発を続けた成果だろう。広報担当の飯野尋子氏は「あくまで個人的な印象ですが」と前置きしつつ、こう分析してくれた。


「スマートフォンを使うような人ほど、ノートや手帳へのこだわりが強いように感じます。1本1000円のジェットストリームを購入されるのもこの層です。デジタルを使うほど、アナログのよさが見えてくるのかもしれません」


あたらしい文具

 そのような追い風もあって、文具業界は商品開発が活発になってきていました。トレンドは2つあります。ひとつが「Beahouse どや文具ペンケース」のようにベテラン消費者のこだわりを実用化するようなもの、もうひとつが『キングジム ショットノート』のように紙なきデジタルの不備を補完するようなものとなります。「プロシューマー」と「デジアナ共存」がキーワードになっているという事です。

まずペンのほうは、片側がノック式のボールペン、もう片側が静電容量方式に対応したタッチペンという仕様。いつも持ち歩くことを想定して長さと細さを最小限にしながらも、書いたりなぞったりする時の使いやすさも意識した握りやすいつくりが特長です。


(中略)


続いて付箋のほうは、専用アプリで撮影すると、自動でゆがみや傾きを補正してきれいにデータ化できるという代物。複数枚の付箋を一度の撮影で取り込んだり、端のマーカーを塗りつぶして撮影して自動的にフォルダ分けすることも可能です。もちろん、通常の付箋としても使用できます。


(中略)


このほかにも、以前に紹介したスマホで簡単にページを取り込めるノート型ホワイトボード「SHOT NOTE Nuboard」や、貼り付けられるスマホ対応ホワイトボード「マグボ」と「ピタボ」など、デジタルとアナログのいいとこ取りをしたデジアナ文具は続々とリリースされています。どこまでデジタルが便利になっても、それ単独でアナログの「感覚」を凌駕する日は、まだまだ先ということなのでしょうか。


《ポイント》
(1)1人のブロガーが企画した商品が発売後2時間半で売り切れた。
(2)利用者のアイデア集めだけでなくパートナーにすることが大切。
(3)大企業にとっても有益な宣伝効果が出る可能性もある。


 消費者「コンシューマー」がもはや単なる消費をする人ではなく、生産者と消費者を組み合わせた生産消費者「プロシューマー」になるという概念は、1980年にアルビン・トフラーが著書「第三の波」で提示している。それから30年以上が過ぎ、インターネットやソーシャルメディアの普及も手伝って、そうした消費者のプロシューマー化の事例は一段と増えつつある。


文具王手帳の登場

 そんな乱世渦巻くテン年代に文具王こと高畑正幸さん(@)がオリジナルの手帳を開発しました。この製品も先に挙げたプロシューマーとデジアナ共存の2つの要素を満たしています。プロシューマーとしての文具王さんという高速道路の先の先の先ぐらいまで行っている人のコダワリを反映し、使用感についてライブ感を持ってプレゼンすること、デジアナ共存としてはプリンターというデジタル界のデータを「この世」に召喚するための統一規格であるA4用紙と手帳を共存させるということです。

「自分用の手帳をオーダーメイドしたいんです。」そんな一言から文具王手帳プロジェクトは始まりました。スーパーコンシューマー企画の第1弾は文具王さんと一緒に手帳の制作にチャレンジしました。 試行錯誤しながら、関係者全員が満足する手帳を作り上げることができました。 面白かった!スーパーコンシューマー第1弾企画


A4手帳と共存するバイブル手帳


最も種類が豊富な「バイブルサイズのリフィル」と、最もスタンダードな紙「A4用紙」の両方を持ち歩きたい。文具王のそんな想いから出来たこのカタチ。 バイブルサイズの手帳に、超整理手帳のカンガルーホルダがぴったり設置されているので、A4サイズのドキュメントを携行できます。

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A4書類が入るバイブルサイズ手帳

 A4書類との親和性という観点ではA5手帳がベストなのですが、非常に大きくて重い物体になってしまうことで休日用鞄に入らなかったり、立った状態での記述や机の狭さへの対応ができないためにセキュリティ以外の結界に阻まれることが多いという問題がありました。また紙としても大きいと値段が高くなったり、メモ書きに躊躇してしまって十分な活用をしにくいということを実感していました。

 バイブルサイズになると、A4サイズを使おうとすると縦がはみ出てしまいます。Googleカレンダーの印刷結果や手順書などはコンピュータで管理してA4で出力することになるので、都度都度バイブルサイズに合わせて切り取ったり、折り曲げたりするのは面倒です。

 そのような中でA4書類が入るバイブルサイズ手帳という悪魔合体的なコンセプトに物欲が大きく刺激され、数々のこだわりを聞くなかでついてに購入に至った形となります。本エントリでは文具王手帳を使っていくなかで考えた紙なきデジタル時代における手帳術<デジタル・ダイアリー・ストーリーズ>について記述していこうと思います。

ベルクロ表紙のインパクト

なんと、手帳の表面にはさわり心地のよいベルクロ(マジックテープ)のメス(柔らかい)面が。
他の手帳(スケジュール帳)には見られないユニークな機能です。Pocket WiFi、電卓、携帯、デジカメ、名刺入れなどツールの裏側にベルクロのオス(硬い)面を貼り付けておくと、ぺたっと文具王手帳にくっつけることが出来るのです。


実際に使ってみなければ、この文具の便利さはわからないと思いますが、オフィスでのちょっとした移動や、バッグ中に収納する際にちょっとくっつけておくと、モノがまとまるのです。また、ベルクロを使わない人でも、黒色のメスの面ですので、邪魔にはならずあまり目立つことありません。

 数々のコダワリについては上記のサイトを見ていただきたいと思いますが、まず目に付くのがベルクロ表紙です。先程から何を言っているか分からないかもしれませんが、ベルクロとは所謂マジックテープのことで文具王といえばベルクロハックという事が文具界の常識です。

 本当にモバイルするなら、これら周辺機器の在り方も、もう少しスマートに解決したい。そこで私が用意したのが通称ベルクロ、いわゆる面ファスナーだ(実はベルクロは米ベルクロの商標、マジックテープはクラレの商標なのだ)。


 ノートPCの液晶モニタの背面に面ファスナーのメス(ループ状になっている柔らかい方)を貼り付ける。そして、周辺機器にはオス(鉤(カギ)状になっている硬い方)を貼り付けておくのだ。これで、煩雑な周辺機器類を液晶ディスプレイの後ろに隠しつつ、本体と一時的に一体化できる。アンテナ類はもちろんだし、カードリーダーなども使いやすい位置に固定できてなかなか快適である。

 マジックテープと言うと「やめて!*2」というひとが多く、『ベルクロキャンセラー 文具王手帳アクセサリ』まで発売される事態になってしまったのですが、ベルクロは本当に便利です。会議などで鞄を使わずに移動する時は文具王手帳に仕事携帯を貼り付けておけばと落としたりしなくて捗ります。システムセンターに入る時には鞄をロッカーに預けてしまうことが多いのですが、その場合もペンや参照資料などが一体になったシステム手帳だけをさっと取り出せばよくなります。

 そもそもシステム手帳にはペン、カード、時刻表、印刷書類といったものをひとつにまとめておける収納機能としての用途がありますが、カバーの内側に奥行きが物を入れてしまうとカバーが閉まらなかったり書くときに邪魔になってしまうという問題がありました。しかしベルクロを利用して「カバーの外側」に貼り付けることで手帳と一体化しながら、手帳の中の邪魔をしないというパラダイムシフトが起こるのです。

ベルクロリフィルの作成

 ベルクロについてはシステム手帳にとってはもうひとつ重要な使い方があると考えています。それがベルクロリフィルです。つまり下敷リフィルの裏側にベルクロのメス面を貼っておくと携帯電話や電子書籍リーダーを固定したリフィルが任意ページの左 or 上側に作成できるということです。

 システム手帳運用術のキモは転記作業という「概念の悪魔合体」です。紙に書いていったメモを別に転記するごとに何かを思いついたり、表現が磨かれます。後述しますが、手帳は「画面」と「入力装置」によって成り立ちます。

 重要なのは「転記元」としてEvernoteやWebサイトや電子書籍の表示/検索が動的に行えるリフィルが召喚され、書くためのリフィルの隣に居座る事ができるようになるという事です。デジタルガジェットはそもそも手帳カバーと一体化させるためにベルクロを貼ってあるのですから、それを使うときだけ内部に移植する事が可能です。

システム手帳のデジアナ共存

 現実問題として手帳のみにすべてを内容を書くといった運用はしておらず、PostEverもTwitterもBLOGもあるし、使用するカレンダーはGoogleカレンダーです。仕事の資料はもちろんExcel方眼紙(><)。むしろ成果物としてはデジタルで残しているもの方が多く、手書きの資料は中間成果物にしかならない場合が多いです。

 データをいちいち印刷する運用もあり得ますが、そのためにはマグネタイトが大量に必要になってしまいます。紙とインクは血の代償では賄いきれないのです。ですからデジタルデビルとしてクラウド界からデジタルのまま会話可能という召喚術が必要となります。

 このためEvernoteを利用できるスマートフォンが「リフィル」として扱えることは非常に重要となってきます。前述の通り、システム手帳はスキャンによるデジタル化がしやすいという特性があるのですが、デジタル化したリフィルが必要に応じて簡易召還可能となる事で、持ち歩く紙束の物理的制約から解放してくれます。スマートフォンに関しては「私物携帯電話」として持ち込み可能という結界破りもしやすいのです。

 以前からiPadを固定してノートを共存させる「Moleskine Online Store(モレスキンオンラインストア)」やシステム手帳用インターネット端末である「ウィルコム、システム手帳に入る薄型MID「WILLCOM NS」を発表 - ITmedia Mobile」などの外法の検討がなされていましたが、以下のようなデメリットがありました。

  • BYODとして結界下でも活動したい
  • スマートフォンなら普段は持ち歩いて使いたい
  • 手帳を閉じている時は薄い方がよい
  • 携帯電話二台持ちとか維持費が
  • iPadデカすぎだし、持ち込めないし
  • 任意のページにリフィルを挿入したい

 これまで手帳とデジタルガジェットの悪魔合体は合体事故必至の外法だったのですが、ベルクロリフィルとベルクロハック済みのガジェットによってスマートに実現できるようになりました。もちろん傍から見たら十分に合体事故なのでこっそりとね。

 ちなみにベルクロリフィルは下敷リフィルの裏側にベルクロテープを貼るだけなので文具王手帳じゃなくても実現できます。最近のベルクロはかなり粘着力があるので15mm幅のベルクロテープを下敷きリフィルに一本貼り付ければ十二分に固定されます。商品化したらバックマージンを(ry 

システム手帳とコンピュータの同時使用

 紙なきデジタル時代に自分のなかで移行していった要因としてシステム手帳とコンピュータとの同時使用時の煩わしさの問題があります。プログラミング中などにわざわざウィンドウを切り替えるのはリズムを崩しますし、反応が悪い時もあります。また思いついた図表をさっと描くのにコンピュータは適していないので、それらを受け止めさせるのは「困った時の紙頼み」と考えているのですが居心地の悪さも感じていました。

 一般的なシステム手帳リフィルですと横開きを行って右側に書くことを想定されているのですが、コンピュータのキーボードに手を置いて作業を行う比重が高く、右利きである場合において、どこに手帳を置くかを図示すると下図のようになります。


  • 右側 左ページが邪魔で書く場所まで遠い
  • 下側 キーボードと椅子のベストポジションを崩して邪魔
  • 左側 右手と左手を互い違いみたいに伸ばせない

 以上のように手帳を横開きの状態でコンピュータと同時使用を行うと書き出すまでが辛くなります。 手帳の左側に書こうとすると今度は左頁は浮き上がっていたりリフィルに罫線が印刷されてなくて書きづらい場合などが多く、読み返す時にも違和感を感じてしまうので使い辛い。

 これに対して下図のように縦開きした手帳をコンピュータの右側にくつけることでスムーズに書きだすことがでます。ですから個人的に手帳やノートは縦開きにして使うものという自意識があります。縦開きはカオス属性として少数派なのかもしれませんが、以下の文章は縦開きを前提に展開していきますのでご了承ください。逆に多数派たるロウ属性の横開き派はどうやって快適に運用しているのかを知りたいので教えてくだしあ。


使用リフィル

 手帳を縦開きする場合において利用できるリフィルは下敷や収納系を除くと一般的には方眼か無地となります。わずかながらに縦開きに対応しているカレンダーや罫線もありますが、高価であったり、特殊用途のテンプレートリフィルでの対応はほぼ皆無という状態です。

 カレンダーもGoogleカレンダー上で管理する方が柔軟であり、最新の予定はコンピュータやスマートフォンから確認で十分な場合が多いです。文具王手帳にはA4用紙を挟み込む事が可能なのでGoogleカレンダーを適宜印刷して挟みこんいます。勝間和代手帳もカレンダーリフィルを無くして一部で話題になっていましたが、毎年リフィルを買い換えるという時代ではないのかもしれません。

 ノートとしては『ノーブルリフィル(バイブルサイズ)【5mm方眼罫】 R100』を使用していたのですが、現在はエトランジェ・ディ・コスタリカの『バイブルレフィルセクション【アイボリー】 SBBRF-G-02』を利用しています。同社のリングノートにも利用しているであろう用紙を利用しているからか高品質な上に100枚210円と言う非常にコストパフォーマンスが良いリフィルとなっています。名刺サイズの情報カードよりも安いので、書き出すまでの躊躇が生まれにくいです。

 私自身は「普通のノート」としての利用シーンが圧倒的に多いです。またスキャンする時やまとめを作成するために各リフィルをピックアップしていくといった場合を除いてなるべくバインダーの留め具を開かないようにしています。過去にはオリジナルリフィルを作成したり色々頑張ってみたのですが、結局書くたびに必要なリフィルに辿り着くまでが煩雑で書きづらいです。運用方式としては継続性や恒常性が重要であるため現在は以下のように極力単純化した方式をとっています。

  • 最初の頁からは「日付-枝番」をタイトルとしてライフログや思いつきメモ等を時系列に追記していく
  • 最後の頁からは「タイトル-枝番-日付」をタイトルとして個別案件ごとのメモを追記していく

PAPER COMP

 本エントリではシステム手帳について「COMP」と呼んでいますが、「COMP」とは女神転生の世界ににおいて悪魔封印/召還プログラムやマッピングなど様々な機能を提供するモバイルコンピュータのことです。概念という悪魔を紙を媒介に封印/召喚したり、カレンダーという時間軸や印刷した地図でマッピングを行うといった意味合いで使用しているのですが、縦開きにして置いたシステム手帳は上側を「画面」に、下側を「入力装置」にしたモバイルコンピュータに見たてる事も可能ではないか……などと意味不明な供述をしており、と思うかもしれませんが、下記の記事を読んでいただきたい。

 以前より噂されていたタブレット型MacBookがついに登場した。その名も「MacBook Paper(マックブック・ペーパー)」。アルミ削り出しの前モデルから一転、素材には紙が使用されている。MacBook Airを超える史上最薄を実現、さらに史上最軽量となっている。さっそく、入手したMacBook Paperを使ってみた。

 既に同じような事を考えている人がいて嬉しくなった。もちろんネタとして消費すべきではあるのかもしれないですが、アナロジーとしては理解可能です。その上でコンピュータとしてのメリットを手帳に活かせないかと考えたいです。A5スリムのフォルムがなんだかモバイルギアっぽいし。


PAPER COMPの「入力装置」について

 「入力装置」として使うのは、あくまで下側のみです。ニーシモネの開発者が書いた『ノートは表(おもて)だけ使いなさい~超人気メモ・ノートを開発したノートのプロが教える情報活用術~』という本があるのですが、裏面にまで書くとバインダーから外した後まで両面の概念が結合してしまって独立運用が難しくなるし、書かれた内容をめくって見ていく時も邪魔になってしまいます。

 また自分の手元からも遠くなるためにフォームを崩してしまいます。取りうるフォームが増えるごとにスイッチのためのコストが必要となり非効率的です。よいデバイスは人間側がフォームを変えなくても大抵の状況に対応できます。運用方式としては継続性や恒常性が重要であり、その観点からしてもキーボードやトラックパッドなどの入力装置が一定の位置にあるコンピュータは合理的です。この法則は手帳でも意識した方が効率が良いと思います。

Safari万年筆との相性

 また手帳にはペンが必須となります。ペンを胸ポケットに差しておくという運用もあり得ますがが、なくしてしまったり忘れたりしてしまいがちです*3。どのペンが良いかというという話は本筋ではないので、ここでは『LAMY サファリ ブラック 万年筆(EF)』を使うものとして考えますが*4、すると一般的な既存のペンループでは太さが合わないなどといった問題が発生します。これを解決できるのが、以下の商品です。

レイメイ藤井 ダヴィンチ リフィル レザー下敷 聖書 DR113

レイメイ藤井 ダヴィンチ リフィル レザー下敷 聖書 DR113

 上記のレザー下敷きを裏側にして、左側に配置されるペンループにキャップのクリップのみを引っ掛けます。すると手帳を閉じた時の縦のバランスといい測ったかのような位置に収まります。利用する時は左手で紙ごと下敷きを押さえてペンを右手で掴んで引くことでキャップは下敷きに残り、そのまま書き出す事が出来ますので何か思いつくごとに早撃ちする事ができます。この時に文具王手帳のカバーにはベロやペンループがついておらず邪魔をしないのが心地良いです。

 またA4に合わせた高さとなっているためにバイブルサイズとの差分分のデッドスペースに小物入れが付いているのですが、この小物入れはLAMYのインク・カートリッジ格納しておくの丁度良い大きです。万年筆のインクが切れてもすぐに戦線復帰可能となります。論理銃の弾倉を込めているみたいでテンションがアガります。偶然ではあるのでしょうが、各要素の寸法がピッタリ合うのが嬉しいです。


PAPER COMPの「画面」について

 では「画面」とはどういうことでしょうか。システム手帳は日々の記録として使用することはもちろんですが、資料や記事を書くときのアウトラインや発想ノートにも使用しています。発想ノートとして使用するために前述の通り、これまで集めた情報を見ながら転記してまとめを行なっていくという再生産処理を行うことで精度を上げる事ができるのですが、その際の転記元となるものが「画面」であると考えています。

 概念という悪魔の合体を行うために、「画面」という装置に顕在化させておく。コンピュータを使用しているときも常に入力中の文章のフィードバックのみを確認しているわけではなくて、大抵は別のウィンドウや資料を見ながら作業をしている。これは自身の脳と「画面」で概念の合体を行なって、その生成物を入力していると考えることができます。システム手帳内のリソースを「画面」として使用するためには以下の方法が挙げられます。

  • ベルクロリフィル
  • 既存ノート
  • 情報カード

「画面」としてのベルクロリフィル

 まずはベルクロリフィルです。下敷きリフィルの後ろ側にマジックテープのメスが貼ってあり、オス面を貼り付けたガジェットを固定できるようにしておけばEvernoteにスキャンしたリフィルやWebサイトをスマートフォンの画面で見たり、 電子書籍リーダーから抜書きが行えて捗ります。iPod nanoとのマルチウィンドウも可能です。下敷リフィルは最初からバインダーを開かなくても任意のページに挿入できるようにリング穴に切れ込みが入っていて単独で取り外しができるため、入力装置となっている任意頁のリフィルの上側に配置することが可能となっています。最近になってスマートフォンが格納可能なリフィルが発売されてたので、そちらを格納しても良いと思います。


「画面」としての既存ノート

 次に既存ノートを利用します。前ページの方から書いている作業ログから必要な部分を抜き出したり、既存のノートをさらにブラッシュアップしていく使い方が一般的です。特にIT系であると試行錯誤含みの「作業ログ」から例えば電話番号やパスワードなどの定数をまとめた「パラメータ表」と必要最低限の手順だけで純化した「手順書」を抽出しておくと捗る作業が多いのですが、これは日常生活のあらゆる場面に適用可能です。しかし既存のノートリフィルはリングを上側として書いているため、「画面」として配置してしてまうと以下のようになってしまい捗りません。

 これを解決するためにはパンチ済みのクリアフォルダーに格納する事が有効となります。パンチには下敷リフィルと同様に切れ込みをいれておきます。通常のクリアポケットリフィルでは強度が足りないですし、幅が中途半端で運用不適格であるため、いろいろな場面でもらえるクリアフォルダーを断裁&パンチしてDIYしました。原価約0円。

 このリフィルは転記元の合体素材としてチョイスされた紙束を物理的に格納する一次スタックとして利用することや、ノートリフィルの内容を最終成果物としてコンピュータに転記する際に見やすくするためにも使用可能となります。またA4三つ折り資料*5を格納することもできるため、Nアップ印刷した書類や横書き書類であれば必要な部分のみを表示させておくことができます。


「画面」としての名刺サイズ情報カード

 既存ノートの使い方も情報カード的になっているのですがであるが、さらにモバイルな文脈では名刺サイズの情報メモも利用しています。これには『カード縦型 メモローゼ【方眼罫】』というカードサイズメモが役に経ちます。綴じられていないカードにはジョッターを別途用意する必要があるし、バインダーで綴じてしまうとほかで運用するのが面倒でした。しかしカードサイズメモは裏表紙を財布兼手帳のカードポケットに固定的に格納する事で、メモパッド機能を持ちつつ、切り離した後はカードとして使用出来るために非常に捗ります。「紙は細部ならぬサイフに宿る」ということです。

土橋さん このダイゴーの手帳はいつも持っていますが、もしもの場合に備えて、お財布の中にペンとカードメモを常に入れています。電車の中などで何か面白いフレーズを思い付いたな、という時などに便利なんです。ダイゴーの手帳はジムでランニングするときにも必ず、ウェアの後ろポケットに入れていますね。


 使用頻度は日によって違いますが、多い時には1カ月に1冊以上。2010年の12月から使い始めて、今持っているのが13冊目です。このカードメモにはタイプライター用紙という半透明の薄い紙が使われています。そのため、カードほどの厚みでありながら31枚もあって安心感があるんです。


舘神 「紙はサイフに宿る」ですね。

 こうして書かれた名刺サイズのメモは名刺保存リフィルに格納出来ます。私が名刺サイズのメモにこだわるのはこのためです。使用するのは一般的な名刺保存リフィルですが、こちらもパンチに切れ込みをいれて任意頁に挿入できるようにしておきます。リング側が下側となる向きで名刺を格納しておけば必要に応じて裏返しての使用できるためにリフィルの両面に名刺を格納可能となります。バイブルサイズの1面にちょうど3枚のカードが格納できるためモバイルで三身合体した結果を入力する事が可能となります。

「画面」の角度と電話メモ用のサブ入力装置

 ここままで手帳の「画面」の話をしてきたが、「画面」であるならば、コンピュータの角度と同じ角度で見られる事が望ましいです。文具王手帳はパタンと180度近くひらくのでするが、むしろ角度がついていた方が捗ります。そのために私は仕事用の携帯電話を表紙のベルクロに貼り付けてスタンド化しています。もともと常に意識して持っているスマートフォンと異なり、仕事携帯は充電などをしていると机に置き忘れてしまう事があったので、これを回避するためにも手帳に貼り付けていたのですが、手帳を完全に開かないようにするスタンドとしても使用できます。

 手帳使用中に会社携帯に電話が掛かってきたときには以下の動作を行います。

  1. 手帳を閉じる
  2. 右手にペンを取る
  3. 左手に電話を外して応答する
  4. 手帳を裏返す

 するとジョッター表紙が自分の手前にきた状態でペンを持って、そのまま電話メモとして使用出来ます。電話に出た時に開いていた案件ごとの発想ノートに関係ない電話の内容をメモをすると台無しになってしまうのですが、それを回避する事が可能です。

カンガルーホルダへの不満

 文具王手帳ではA5スリムサイズとすることで、バイブルサイズとA4の共存が行えるように設計されていて、Googleカレンダー・便覧表・会社資料などを印刷して格納可能でありながら、携帯性を犠牲にしないという他にない特長があり、そこが決め手となっていました。

 A4の格納機構として、文具王手帳では「超」整理手帳のカンガルーホルダを利用しています。既存製品のパーツを流用してしまうというのが面白い試みであると思います。実は自分も2004年ぐらいに「超」整理手帳を使っていたので感慨深いです。しかし大量のA4用紙を使う場合にはカンガルーホルダには以下のような問題があると感じていました。通常の使用方法ではカンガルーホルダでも十分だと思うけれども。

  • 1つのカンガルーホルダにつきA4資料が2枚までしか入らない
  • 上記のわりに分厚くて拡張が難しい
  • カンガルーフォルダのみでの追加購入が難しい
  • 定規の柄が転写されやすい素材
  • 縦幅がきつくて紙を入れるのが大変

 私はA4で持ち歩きたい資料が多いので2枚というのは不足しており、無理に重ねて収納しても一覧できなくなるため意味がありません。追加でカンガルーホルダを買おうとも単体販売はずっと売り切れであり、そもそも追加でセットするのにも苦労するであろう形状でした。

 最大の問題は縦幅がきつくて紙を入れるのが大変というところがある。これは数年前の改定からそうなっているようで、他にも不満の声が幾つか見つかっているため個体差ではないと判断できます。キツキツにしたのはA4四つ折では紙とホルダの摩擦面積が十分でない状態で固定するためだと推測されますが、この縦幅が邪魔をして資料の格納に手間取る事が多かったです。

文具王手帳にA4資料を10枚格納する方法

 カンガルーホルダに対する改善案を考えていて、そもそも文具王手帳はチケットサイズを基準としているトラベラーズノートと寸法が似ているわけですし、A4四つ折に拘ることはない事に思い至りました。つまりA4三つ折でコンパクトに格納できれば……と考えて世界堂に行ってみると、まさに求めていた製品が見つかりました。

コレクト クリアブック(超薄型) チケット S-501

コレクト クリアブック(超薄型) チケット S-501

 この製品はA4三つ折ジャストサイズで10枚入るサイドイン型の薄型クリアブックです。前表紙は邪魔なので切除し、裏表紙は手帳のポケット素材分の幅がセットするのに邪魔になるので縦横が約1cmずつ小さくなるように断裁します。この状態で文具王手帳の裏表紙にセットするとちょうどリングと干渉せず、外にはみ出したりもしない位置に収まりました。

 A4三つ折の場合は四つ折に比べて摩擦面積が十分にあるためか、縦幅に余裕があっても安定しています。A4三つ折はフリーハンドで折るのが困難なので専用機器を使用するなど大袈裟な話になりがちだったのですが、クリアーブックを利用する場合は紙を折らずにセットして、そこからクリアーブック側の折り目にそって紙を折れば三つ折となります。むしろ三つ折機能まで付与されたいえなくもありません。

 クリアーブックは薄い素材を使用して三つ折で格納するため、厚い素材のカンガルーホルダに四つ折を格納するよりも。1枚辺りの厚みを薄くでき、10枚格納しても問題ありません。もちろんすべて独立して開く事が可能ですし、三つ折はZ折となるために表側の3分の1が見える形になります。

 以上の方法により、A4資料10枚を気軽に持ち歩けるようになりました。実際に常に持ち歩いている資料は5枚前後であることが多いのですが、印刷した地図や配布資料などにも余裕を持って対応できるのが便利です。前述の通り、サーバールームにはコンピュータはやiPadの持ち込みはおろかスマートフォンの持ち込みですら難しいのですから、そこで起こった突発的な事態にも滞りなく対応できるかは持ち込んでいた資料の質によるところが大きいのです。それに限らずスマートフォンは電池や電波や一覧性の低さという問題があるために印刷した資料を携行した方が捗る事が多いです。やはり困った時の紙頼みという事態においてA4資料を持ち歩けるかは重要になってきます。

 またA4三つ折サイズはローソンで配られたアスカのカレンダー下敷きを格納するのに丁度よい大きさです。名言や猫写真といった「パワースポット」を手帳の中に用意しておくと不安や疲れを和らげてくれるのですが、一番効果があるのはやはり家族の写真ではないでしょうか*6

まとめ

 以上のような運用方式によって、コンピュータとの同時利用や情報の転記による再生産を前提として文具王手帳を使用出来る体制が整いました。あくまで私個人の使用方法ですし、ほとんどの人には役に立たないのかもしれませんが、文具王手帳の追随能力の高さの一端が示せたとも思います。文具王手帳自体が提案する内容も良いのですが、個々のモジュールの性能が高く、自由度が非常に高いために自分に最適な運用方式にカスタマイズしやすいシステム手帳になっています。

 『真・女神転生』も『デビルサマナー』からは邪教の館を通さずにダンジョン移動中でもCOMP内での合体を行うことが可能となったように、これまではできなかった文脈でも出来る事を増やすことがノマドにとって重要だと考えています。「いつでも」「どこでも」と言いながら、現場に張られた「結界」に能力を制限されて出来ない事が増えてしまうのであれば、それは全く「どこでも」ではありません。iPadが持ち込めなかったり、クラウドサービスの利用を禁止されてしまう「結界」に対して不満を言って仕事をしない自由もありえますが、たかが「手段」のために朱海<レッドオーシャン>に入り込むのは勿体無いとも思われます。

 そこに張られた「結界」の性質を認識して、解呪<ハック>していくことで、真に時間と場所にとらわれない働き方が出来るようになるではないでしょうか。そしてデジタル界とアナログ界の両面を活用して、概念という悪魔を自在に操って201X年の魔都東京を生き抜い<サヴァイヴし>ていく。紙束で組み上げたCOMPに自由の女神を転生させるのです。ワレハ文具王手帳、コンゴトモヨロシク。

文具王手帳 @bungu_o

文具王手帳 @bungu_o

ベルクロキャンセラー 文具王手帳アクセサリ

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*1:ちなみにセンターへの持ち込み可能な私物携帯電話の最大スペックを考えて私はGaraxy S3を使っている。4.8インチがタブレット扱いされない限度かなと。

*2:支払いは任せろ~、バリバリ~。

*3:胸に差しておいたキャップレス万年筆を無くして慟哭した事があります。

*4:手帳に使うペンは消せない・滑りが良い・読みやすいという要件を満たす必要があります。

*5:なぜ三つ折なのかは後述します。

*6:眼をぐるぐる回しながら。