太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

老害であることを自覚して生きていく

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photo by Tetsumo

だるい

 一昨日から今日にかけて疲れが取れなくてぼんやりしていました。起きてはいるけど怠くて何もできない状態。私の場合は仕事や家族サービスや合コンなどに忙しい人と較べたら「自由時間」の絶対量が多いとは思うのですが、「自由だけど何も出来ない時間」が増えているようにも思います。

 29歳の時ぐらいから自身が身体的に老いていく事を強烈に意識するようになりました。額のシワだとか、痩せにくくなったとか、異常に疲れやすいだとか。定期的にデスマーチ案件に巻き込まれた事もあって夜も休日も働き続け、たまに時間があれば朝まで呑んでみたいな事を繰り返していました。むしろそういう体力には自信があったぐらいなのですが、着実に身体が蝕まれていたということでしょう。

 騙し騙しやってきましたが、そろそろ無理だなと思いました。「病気」であれば「治癒」のニュアンスを信じてしまいますが、実態的には「老化」と相補完になっているので難しいでしょう。

老害の重ね合わせ

 「自身の老い」を意識しながら、若者の代弁みたいな事をするのは無理があるとも感じています。

 このような文章は、もちろん「自分ではそうならない」という前提で書いているわけですが、客観的に見れば十分に老害化している状態の時もあるのだろうと思います。32歳というのは重ね合わせの時期なのかもしれません。

 最新技術を呑み込むのが得意だったはずが、徐々に理解できなくなっているし、JavaとJavaScriptとTomcatとOracleさえできれば何でも作れると信じているところが未だにあります。HadoopとかもJavaだし。本当はPerlやRubyやObjective-Cぐらいはいじれる方がよいと思いつつ、「なんだこのクソ言語!?」って思うことのが多いです。ミドルウェアや周辺技術についてはもっと疎いです。

そして老害になる

 id:yayugu さんの『そして老害になる - 方向』は結構グサッと来ます。今の仕事はプログラミングとは関係がないため、家で勉強するしかありません。そもそも時間が取れず、疲れていて頭が働かないなかで最新技術を修得したり、それで何かを作るのは困難です。オールドファッションな手法をリフレインするのが限界でした。逆に言えばオールドファッションな方法でも効率はともかくとして出来る現状があります。

 その一方で仕事のログがそのまま技術的な蓄積になったり、勉強会に定期的に出席している人達との差が絶望的に開いてる感覚があります。そんな彼らが真剣にやっているという事は、それなりの優位性があるからだとは思うのですが、いまいち認知できない自分も居ます。

 未熟な人が幻想上の優位性を感じるのは「ダニング=クルーガー効果」と言われるポピュラーな認知バイアスです。これ自体は年齢に関わらないので「老害」に限った話ではないのですが、「実績の解除」が中途半端にできているからこそ強固な幻想になってしまうのが「老害」たる所以でしょう。実績がないのに幻想を信じられる人は単なるおバカさんなので矯正のしようがあるのでしょうが、「昔はそれでうまくいった」が故に矯正が難しいのです。

老害であることを自覚して生きていく

 老害にはなりたくない。でも、だからこそ「そうであることを自覚して謙虚に振る舞う」という処方箋で十分なのかもしれないという諦観が生まれつつもあります。もちろん最新知識を学んだり、若者の意見に耳を傾けて自分の意見のように言うのも良いのかもしれませんが、理解もせずに新しいものにおもねることのが事態を悪化させる可能性が高い。

 現代日本は「アンチエイジング社会」だと言われています。40代になっても「ちょいワル」とか言いながらクラブに通ったり、「女子」と言い張ったり。でも、それって想像以上に自身を痛めつけている側面があります。 id:p_shirokuma 先生の『ロスジェネ心理学―生きづらいこの時代をひも解く』に以下のような記述があります。

 しかし一般に、若作りが強引であればあるほど歪みが生じずにはいられません。肉体の維持にお金と時間がかかってしまうのもひとつの問題ですが、それより深刻なのは、40代になっても20代のようなライフスタイルのまま振る舞おうとした結果、身体や精神に無理がかかってしまう事です。
 
 人間は、歳を取ればそれだけ身体が衰えますし、新しいことを一から学習するにも時間が労力がかかるようになります。にも関わらず、自分自身が歳を取った現実を度外視し、身体や脳味噌をうごかし続けようとすれば、じき疲労が蓄積し過ぎてパンクしてしまいます。
 

ロスジェネ心理学―生きづらいこの時代をひも解く

ロスジェネ心理学―生きづらいこの時代をひも解く

 そもそも、「努力すればすぐに同じ位置に立てる」という幻想そのものが、「ダニング=クルーガー効果」です。なので「じゃあ努力します」という処方箋はむしろ悪化させる一方なのではないかとも思います。だから全くの努力をしないという話ではないのですが、努力しきれない自分と、故に生まれがちな幻想の優位性を自覚して、相応に謙虚に振る舞う必要があるのだろうなぁ。

「いいね!」時代の繋がり―Webで心は充たせるか?― エレファントブックス新書

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