太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

精神だけがヤングチームにいるのは無様だけど、「次の居場所」が見えにくくなった側面があるのかも

ヤング島耕作 (1)

世代が違う人が成人になっている

 少し前に24歳という平成生まれの社会人の人と飲んだのだけど、自分が32歳だから「75%だ!」と直観的に思って不思議な気分になった。逆数で言えば1.33倍。「世代が違う」のは当然である。それでいて、もうすぐ社会人3年目なんだという混乱。

 そういう感じになると張り合おうとか考える方がおかしい部分と、自分が24歳の時とかもっと馬鹿だったよなーみたいな部分が同居する。ブログだと「誰が書いたかよりも、何を書いたかを重視すべき」というのが浸透していて、あまり年齢差みたいなものを考慮すべきではないと言われるし、それはそれで正しいのだろうけれど、あんまり若い人の拙い認識をいじめてやんなやと思う事もある。

精神だけがヤングチーム

 どこかで書いたような気もするけれど、特にネットを介して会った人には同年代があまりいなくて、5歳上 or 5歳下の場合が多い。仕事でもそういう所があって同年代が同じ現場に入ることは殆んどない。そうなると上の世代に一緒くたに若手扱いされたり、遊ぶ時はマジョリティである若者側に合わせる事に慣れていて、精神だけがヤングチームにいる気分になってしまう場合がある。

 それでも28歳ぐらいまでの時は23〜24歳ぐらいの人々と張り合ってもまだ絵になったかもしれないけれど、こっちが32歳にもなれば少なくとも身体的にはそんなことはない。鏡に映った顔はおっさんだし、慢性的な体調不良だ。徹夜とか漫喫泊まりは辛いんやで。

 なので精神の方も適切にエイジングしてかないとしょうがないとは思っている。いい加減「老獪さ」ってが必要なのだろうと思いつつ、未だに「恋は人を成長させる!」とか「セカイ系ガー」とか作品の感想を力説したりしていて難しいにゃん。良くも悪くもそれが出来る状況にあるんだよね。

枯れ木として生きる

 社会全体としてアンチエイジング欲求が強くなったのは、「枯れ木」の居場所が見えにくくなったところもあるのだと思う。例えば50歳になった時に行ける場所がよく分からない。なので「同じ場所」にいる事を維持し続けたくなってしまうけれど、その時に「枯れ木」として存在することを許さない人々が出てくる。その辺はオタク第二世代と第三世代の闘いみたいな話としてよく語られるし、どこもそうなのだろう。

 組織全体としては世代交代をした方が良い部分とそうでない部分があるのは当たり前であって、どちらにすべきとは言えないのだけど、自分が「枯れ木」側になりつつあるし、「枯れ木になるべきである」と感じているときには「枯木も山の賑わい」と言って欲しいところも少しはある。僕個人には幸いな事に相対的に「若手」としていられる場所もいくつかはあるのだけど、それだって永続的かは分からない。

無理に居座ってしまうこと

 「次の居場所」がまだ見えていない時に「枯れ木は出てけ」といわれると無理してエイジングを遅らせたり、孤独を受け入れる戦略を選ぶ事になるのだろうけれど、それが全員にとって本当に良い事なのかは微妙なところもある。アンチエイジングは客観的に無理があるし、全員が無理に孤独化志向になれば本来的には需要がある人も無理に押し殺して供給がさらに滞ることになる。

 それは『承認欲求と包摂欲求についての一見解。または「あ、承認とかいらないんで、とりあえずお金下さい」 - 太陽がまぶしかったから』でいうところの「コミュニティ包摂欲求」だと言えばそうなのかもしれないし、曲がりくねった「承認欲求」だと言われればそうなのかもしれない。「努力して持つ者」になったが故に「ダメなのは努力がたりないから」という公正世界信念を持ちやすいのだけど、そこはなるべく呑み込みたいと思っている。

「止まり木」と「次の居場所」

 僕個人としては少ない文字列で交わされる毛づくろい的コミュニケーションに殆んど価値を感じていないのだけど、それがキッカケになることはあったし、「止まり木」としての効果はあるのだろうと思う。「止まり木」にずっと居続けるのは良くないことかもしれないけれど、本当に確実に「次の居場所」があるのかはわからないし、止まり木に居座る可能性も考えた方がよいのだろう。

 無様な所を自覚しつつも、「もうちょっとだけ続くんじゃ」には寛容になった方が良いのかもとは個人的には思う。それは『老害であることを自覚して生きていく - 太陽がまぶしかったから』を進める時のセーフティーネットにもなる。みんな年を取っていくし、たまたま包摂されなくなることもあるだろう。そういう時に自然な移行をしやすい居場所が見えると良いのかもねと。

老兵は死なず 野中広務全回顧録

老兵は死なず 野中広務全回顧録