読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

【悲報】第三のビールの酒税増額でビールもどきの開発競争に終止符?

グルメ グルメ-B級グルメ

photo by jovike

ビール系飲料にかかる酒税が統一

 いまの税額は350ミリ缶の場合、ビールが77円、麦芽比率が25%未満の発泡酒が47円、麦芽を使わないものもある第3のビールが28円。財務省は、全体の税収が変わらない水準の55円を目安に税額をそろえたい考えだ。減税となるビールは小売価格が下がり、増税の発泡酒などは値上がりする可能性がある。年末にかけて与党やビール業界と調整し、来年度税制改正に盛り込むことをめざす。

 ビール系飲料にかかる酒税が統一される動きがでている。現在のビール系飲料は「ビール」「発泡酒」「リキュール(発泡性)①(いわゆる第三のビール)」に別れており、原料費以上に酒税の違いが小売価格に影響してきたのだけど、ビール系飲料の酒税が統一されることで、ビールが77円→55円で-22円、第三のビールが28円→55円で+26円。都合48円の歩み寄りが起こるため、本物のビールと第三のビールの価格差がほとんどなくなるというこだ。

ホワイトベルグをはじめとしたビールもどきの開発競争に終止符?

ホワイトベルグは、ベルギーのホワイトビールに用いられるコリアンダーシードやオレンジピールが入ったビール風味のリキュール(発泡性)①。いわゆる「第三のビール」なのだけど、目指す味わいが違うので本物のプレミアムビールよりも美味く感じてしまう不思議。

 僕自身は第三のビールに属するホワイトベルグが風味と値段の両面から好きで、よく呑んでいた。税制の網を潜ったり、それでも風味をよくするための技術が詰まってビールを超えたビールもどきだと思っていたのだけど、税制が統一されるとこのような開発競争に終止符をウチかねないなと。本物のベルギービールが飲みやすくなるのは嬉しいのだけど、ビールもどきのジャンク感も好きなのだ。

 発泡酒や第3のビールは、ビールの高い税金を払わないで済む飲料として商品化が進んだ。財務省は開発競争が進むと税収がさらに減りかねないとして、昨年から与党とともにビール系飲料の税額を統一する方向で検討してきた。

 そもそも「日本に納める税金を減らす」という動機から生まれたビールもどきの開発競争は、味や原料費などの本質的な競争力を下げる要因になってきたという側面がある。併せて「ビール」の定義も麦芽67%かつ添加OKになるそうで、これらを総合すると「海外でも通じる無差別級のビール」を開発したいという狙いが見えてくる。

 フライ級最強として面白がっていたものに価格優位性がなくなってヘビー級と同じ土俵に乗せられてくる感じ。クラフトビールもも含めたビール系アルコール飲料無差別級。それは非常に楽しみでもあるし、寂しくもある。常識的に考えて、価格優位性を失ったホワイトベルグなどの第三のビールに勝ち目はないだろう。独自路線はホッピーとノンアルコールビールぐらい?

ビール系飲料の定義問題で消耗するのも不毛

ところが、2014年1月に国税当局から製法についての情報提供を求められた。第3のビールと認めるには独自製法に疑義があったためとみられるが、サッポロは「製品開発上の営業秘密」として詳細を語らず、「第3のビールに該当しなかった場合に(税金の追加など)お客様に迷惑をかける」と判断し、製造を中止した。また、第3のビールでなかったと「確定」した場合の追徴課税も想定し、それまでの販売分について、適用税率を350ミリリットル缶当たり28円から77円として計算し直し、発売からの差額分115億円と延滞税1億円を追加納税した。そして製法を一部見直し、2014年7月に税率の高い「発泡酒」として再発売した。

 そもそも「第三のビール」の定義は複雑であり、サッポロビールの「極ZERO」が「第三のビール」から「発泡酒」の扱いに変更される疑念から差額分115億円と延滞税1億円を追加納税するといった事案がおきた。その後に「やはり第三のビールだったから税金を返還してくれ」と申し立てている。

 このようなドメスティックな問題に消耗せずに、税金や製造方法に制限をかけない「強いビール」を作らせたいという流れは、正しいと思う反面で、そこに過剰適応したからこそ産まれた鬼っ子のような存在であるホワイトベルグの存在価値が消えていってしまうのは少しさびしくもある。

クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業

クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業

  • 作者: スティーブ・ヒンディ,木内敏之(木内酒造合資会社取締役),小野英作,和田侑子
  • 出版社/メーカー: DU BOOKS
  • 発売日: 2015/07/03
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る