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Amazon Dash Button が家電量販店の利益領域を収奪するかもしれない

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Amazon Dash Button の可能性

 Amazon が Dash Button というサービスを発表しました。

米アマゾンが、新サービス「Dash Botton」を発表しました。どんなサービスなのか、そのアイディアはいたってシンプル。ブランドロゴが入った小さな端末のボタンを押すだけ、するとアマゾンからその社の商品がお家に送られてくるというものです。例えば、このボタンが自分が選択洗剤を購入しているメーカーのものだとします。洗濯機やその付近に設置しておき、洗剤が無くなりそうだなと思った時にボタンをおしておけば、それだけで洗剤が届くというもの。いかにスムーズに購入の流れを済ませるかというところがよく考えられた仕組みとなっています。

 「スマート洗濯機」は、洗剤の残りを自動的に読み取って注文できるかもしれませんが、まだまだ普及には遠いでしょう。しかし、このような「簡単な仕組みを取り付ける」という形で普及する可能性は高いと見ています。

 布状センサーも「ベッドへのウェアブル」と考える事ができますが、「モノへのウエアブル」という形で付加的にスマート家電化を行う事でコンテキストに紐付いた消費を促進できます。

家電量販店の利益はアクセサリや消耗品から

 ここで、思い出すのが家電量販店の利益構造です。実のところ家電量販店の利益は「アクセサリ」や「消耗品」からのものが多いと言われています。

 その疑問を解消するのが、アクセサリーだ。1点あたりの価格は1000~5000円程度と、家電店の商品としては低い。だが価格下落がほとんどなく、商品にもよるが粗利益率は30%を超えるものが多い。価格下落が激しく、10%前後の利益率しかないテレビなどと比べると、うまみがあるというわけだ。

 家電製品と比べると、アクセサリーは使い方が単純で接客コストがかからないことも店側にはメリットだ。多くの人が買い求める保護ケースなどは、商品の差別化要因がほぼ手触りとデザインに集約できるため、ほとんどの消費者が自分で購入商品を選ぶ。

 この例ではスマートフォンのアクセサリですが、『バリスタ』のインスタントコーヒーや『電動歯ブラシ』の替えブラシ、ブルーレイレコーダーのメディアなどもそうです。

 家電本体の価格はインターネット上の情報を織り込んで薄利に設定せざるを得ませんが、消耗品やアクセサリについては「今すぐ欲しい」という需要が強く、単価も低いので価格設定を殆んど気にされていない現状があります。

「その場」の気持ちを刈り取る位置

 消耗品が必要だと思うのは、その家電を使っているときですが、改めてインターネットで検索しなおす気持ちを維持するのは難しく、店頭で「必要だった」と思い出すケースが多いわけですが、「その場」の気持ちを刈り取れる Amazon Dash Button が普及すると、家電量販店の利益領域を収奪するかもしれません。

 また、消耗品の価格自体もある種の「言い値」で設定できます。Amazon Dash Button そのものに価格が表示されているわけではないし、他の店舗と競争する必要がありません。それらを独占するのは大きな利益になりそうだと考えていたのですが、既に「Amazon スマートコーヒーメーカー」のような話もでてきているそうです。

米アマゾンが新たに展開しようとする「Dash Replenishment Service(DRS)」が、その野望実現へのプラン。いたってシンプルな考え方で、冷蔵庫からコーヒーマシーン、洗濯機まであらゆる家電をアマゾンと連携させましょうよ、というもの。例えば、コーヒーマシーンをアマゾンと連携させておけば、コーヒー豆のストックが少なくなったとき、コーヒーマシーンが自動で追加注文しておきますよ、と。つまり、先日発表されたDash Buttonが、始めから家電に内蔵されているというわけです。

 『Kindle Paperwhite』での動きを考えるに、おそらく家電本体の価格については既成品と同じか、むしろ価格を下げて普及させようとするでしょうね。安全剃刀を配るのと同じ話です。スマート家電って、生活者視点の便利だとか人件費が削減できるという視点以上に小売店の利益構造の問題にもなりそうです。

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