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太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

「30過ぎたら利息で暮らせ」を意識しないと人生が詰んでいく

エンゼルバンク

30歳を超える前に「金のエンゼル」を作る

 「30過ぎたら利息で暮らせ」とブログに書く内容をTwitterにメモしておいたら思いのほか拡散したので、いくつかの補足をしたい。この台詞の元ネタは『エンゼルバンク』という『ドラゴン桜』の外伝漫画であり、事実上の続編である。この作品は転職エージェントについて描かれている。

「30歳過ぎたら利息で暮らせ」
「利息?」
「どれだけ多くの利息を取って暮らせるか……そのためには何が必要か」
「必要なのはしっかりとした元金だ……金のエンゼルだ……」

 転職者にとっての「金のエンゼル」を明確化し、その「金のエンゼル」が欲しい企業に引きあわせることで良い条件の転職をさせるのが転職エージェントの仕事。転職者の契約年収が転職エージェント自体への報酬に直結するので必死だ。ここでいう「金のエンゼル」とは個々人が持つ経験や実績やスキルや人脈。それらを普通に活用すれば達成できる成果を「利息」に例えている。

100%の努力を続けないと維持できないなら下回る可能性しかない

 僕自身も転職エージェントとのやりとりしていたのだけど、その経歴書が欲しい企業からはスカウトが来てするすると内定がでたし、経歴書が効かない企業に応募しても面接にすらいけなかったという現実がある。

 30歳を超えて「これから頑張ります」「これから成長します」なんてのは殆んど通用しない。既にこれだけの経験(元金)があるなら通常の努力で維持できる成果(利息)だけでも要求水準以上のメリットがあるという見込みが市場価値となる。100%のコミットをし続けることで達成できるという話であれば、要求水準通りの成果が最大になるし、むしろ下回る可能性が高い。

 120%のコミットなんてのは言葉遊び。年齢とともに進行していく老化や慢性病を避けきるのは難しいし、ワークライフバランスがなければ何のために生きているのか分からなくなる。100%の頑張りを常に続けなくても大丈夫な領域を増やしていかないと心や身体がおいつかない。

 目の前の仕事に100%のコミットをし続ける前提で稼ぐことができたとしても、何らかの形で「金のエンゼル」を増やすことも意識していかないと人生が詰んでいく。やっていることに市場価値がなくなったり、ちょっとしたアクシデントや体調不良で水準を下回れば終わりだ。

金融的な「利息」も生活を楽にする効果がある

 以上までが、「30過ぎたら利息で暮らせ」の非金融的な部分であるが、金融的な意味もある。リアルの元金によってお金でお金を稼がせることができれば多少はマシになるということ。実作業を請け負う人を雇ってもよい。

解約オプション付きの仕組預金とは、銀行側が1年ないし10年のうちの好きな年数で解約できる代わりに、元本保証で高金利の利息がもらえるオプション取引を含んだ預金である。僕がSBIネット銀行で作っていたころには、年利0.7%(現在は0.5%)の利息がついたので月100万円づつ12ヶ月分作っておけば、毎月7,000円(税引後5,580円)のお小遣いが確実にもらえるスキームが構築できた。

 文字通りの「利息」によって毎月7,000円の収入が見込めるならば仕事へのコミット量を数%減らしても生活水準を変える必要がない。リスクを受け入れる前提であれば株や投資信託もある。ただし、「コミット量を減らしたい」という要件において、経営や財務に関わっていない人が個別株の学習に対して機会費用を支払うのは本末転倒なので「ほったらかし投資術」や「気絶投資法」がオススメ。

利息分をつかって何をするか?

 「30過ぎたら利息で暮らせ」と言うと「利息だけで暮らせ」と取られる可能性もあるが、実際には利息分を使ってさらに成果を上げたり(複利)、別の元金を殖やしたり(再投資)、遊んだり、休んだりするために使われる。

 投下資本に対する成果が高まるということはコストパフォーマンスがよくなるということであり、自身にとって必要なコストを少なくするためにも利用できる。「働かないおじさん」になるのだ。

 努力量を減らしても同じ成果がだせる元金を作っていくことが、もっと上を目指すことや、休むための前提になるということを意識したい。『エンゼルバンク』自体は凄く面白いのでオススメ。