太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

「アレオレ詐欺」がしやすいからこそ僕は会社員でいたい

photo by Darwin Bell

会社員で居続けるイメージしかない

 よくフリーランスや在宅ワーカーだという勘違いをされるのだけど、社会人生活が始まった22歳から現在に至る殆んどすべての期間でオフィスに長時間勤務するような会社員として過ごしている。現在もそうだ。

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方

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 どちらかと言えば「レールの上ってこんな景色」という話なのだけど、僕自身の状況や考え方として、完全なフリーランスになるつもりがないのは「アレオレ詐欺」のためなんだろうと思う。

アレってオレも関わったんだよね詐欺

 「アレオレ詐欺」とは、「オレオレ詐欺」のもじりで、個人の実績を語るときに有名なプロダクトやサービスなどの名前をだして「アレってオレも関わったんだよね」と吹聴することである。ここで厄介なのは、有名な製品になるほど「程度はさておき本当に関わっている人」は結構いるので完全な詐欺とは言いにくいことである。

 僕自身も大手SIerなどに属していたので、名前を出せば知っているであろう会社や機関の「中の人」をやっていたこともあるし、あの製品のあの機能はワシが育てたみたいな話もある。実務を直接的に担当していたわけじゃなくても、システム化のためには業務フローを精緻に認識しておく必要もあるので「門前の小僧、習わぬ経を読む」もしやすい。

「翻訳者」として複数の世界の理を知る

 僕自身には特出したスキルがあるわけじゃないけど、「翻訳者」としての役割を求められやすくて、殆んどの仕事先で顧客や営業や管理職などの事業者サイドからのふわふわとした言葉を明確なデザインに落としこむ仕事や、技術者サイドからの改善案や課題を吸い上げて事業者サイドに理解できる言葉で伝えるような仕事に落ち着く。

 アカウントSE、ソリューション営業、テクニカルライティングなどの仕事は、まさに「あちら側」との境界線上に立つ歩哨として「翻訳者」や「防衛線」の役割を求められることが多いです。

 そうすると、僕自身が事業の主体になっているわけでも、実際に作ったわけでもないのに、外からは「両方わかっている人」としての役割を求められるので、結果として「アレオレ詐欺」になりやすい。

自分ひとりでは出来なかったことばかり

 それは別に悪いことではなくて、僕自身がある事業の企画〜実装〜試験〜運用までを独りでやるのはスキル的にもリソース的にも不可能に近いし、身銭をきれば本当に小さなリスクしか取れないマインドの持ち主でもある。思わず「アレオレ」と言いたくなるような製品やサービスに殆んど関われなかったけれど、少しは関われたという立ち位置はそれなりに楽しいし、実際に知れることや部分的な決定権を持つことも多い。

 そう考えると、僕自身は器用貧乏な赤魔道士から、「ラーニング」をメインアビリティとする青魔道士にジョブチェンジしている途中なのかもしれない。「ラーニング」した内容を他の場所で実行すると玄人扱いしてもらえる事が多いし、その場にいる人とは違う事を担当する必要があるという点では「ものまね師」よりも「青魔道士」のが近いと思う。

 両方がそれなりにできるからと、両方で手を動かしていては何にも残せないし、フリーランスとして入り込める場所は限られている。僕が会社員で居続けることに拘るのは、事業戦略を立ててお金を出す人や、実際に手を動かしてモノを作る人たちに助けられながら「アレにはオレの苦労も入ってるんだよね」という詐欺とは言い切れない詐欺で自己肯定感を得ていきたいからなのかもしれない。

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