太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

キャリア人材は「商品」なのだから、未来形で語る「圧倒的成長!」を免罪符にしてはいけない

photo by AlmaArte Photography

「圧倒的成長!」を免罪符にできる年齢じゃなくなっていた

 33歳になってから転職活動をしていて感じるのは、「圧倒的成長!」を他者への免罪符にできる年齢じゃなくなっているということだ。異業種にリクルートエージェントなどを介してエントリーをしてみても書類選考で落ちるのが現実である。

 これまでは、渉外、業務、管理、構築、運用などをひと通りやってきたし、趣味から派生してライティングの仕事をしたり、WebデザインやSEOもそこそこ出来るようになってきたつもりだ。新しい分野にもすぐにキャッチアップできるだろうという無根拠な楽観もあるが、それを人に同意してもらうのは難しいし、「売り」にする事もできない。

キャリア人材は「商品」なのだから「完成品」だけが流通できる

 この歳になると、仕事でも恋愛でも「完成品」を求められていると感じるし、少なくとも完成形であることを装う必要性はあると思う。とりあえず「出来る」と言っておいて期日までに出来るようにしてしまう事も多かったのだけど、その過程を見せてはいけないし、保険がない体制におけるリスク管理体制を作っておく必要もある。はっきりと言えば、キャリア人材は「商品」であって、未完成品が納品されてはいけないのだろう。

 つまり、書類選考や面接の段階で「これまでの経験は、貴社のここに活かせる」を十分に説明できるようになっている必要があって、「これから圧倒的成長をします」じゃ遅すぎるのだ。もちろん、新卒や第二新卒ぐらいまではポテンシャル採用だし「圧倒的成長(笑)」なのだけど、現在の年齢になるとそういうわけにもいかない。フリーランスになると、もっとシビアに求められるのだろう。

青魔道士に必要なのは「強敵(とも)」と出会う事

 しかし、「だから圧倒的成長が出来ない」というのは逆で、先立って完成品に近づくための一夜漬けが捗るとも言える。本番で失敗できないからこそ、破滅的に失敗できる場所を用意して、専門家の仕事ぶりをラーニングしながら自分でも試していくのがてっとり速い。ここで重要になってくるのが専門家とのインターフェイスである。本や妄想だけではどうしたって難しい。

 これまで編集者の方々とやりとりさせて頂いた時の経験は大きいし、会社でも営業やプログラマやオペレーターの方々の仕事ぶりを観察していく中で得た事も大きい。お客様から求めてられているという必要性や当事者意識も重要である。青魔道士は強い敵から攻撃される毎に強い技を覚えていくのだ。

 実態的な圧倒的成長のためには強敵(とも)が必要で、強敵に会いにいくためには、事前の名目的な成長が必要となる。「仕事の報酬は仕事」というけれど、「成長の報酬は成長」なのだな。キャリア人材は「商品」なのだから、未来系で語る「圧倒的成長!」を免罪符にできないからこそ、過去形で語る「圧倒的成長!」を見えない場所でしておく必要があるのわけで、「圧倒的成長をした」なら言っていいと自分に言い聞かせている。

エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(1) (モーニングコミックス)

エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(1) (モーニングコミックス)