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太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

独りが辛くなるのは時間が育ててくれるものがなくなったと気づいた時

自意識 自意識-婚活

photo by David Vega Fotografia

蓄積をしていかない人生

 4月中は仕事が破滅的に忙しい上に、気力が奪われるようなことが続いて何もする気が起きなかった。その一方でいろいろな事を受け入れられたし、かさぶたも固まってきた。要は3年前ぐらいの状況に戻っただけであるし、むしろ素晴らしい過程の軌跡を描けたと思う。少々残念なのは自分だけが年齢を重ねてリバイバルが起こってしまったこと。

 中年期に差し掛かりつつある自分にとっての「蓄積」を考えると絶望的になる。基本的には持たない生活をしているし、スキルも頭打ち。預金口座だって成長率が鈍化するし、一人遊びを楽しみきれる感性も錆びついてしまった。

 自分の中に何かを蓄積をしていくことができないから、せめて誰かに受け渡していきたいし、誰かに受け渡してもらいたいと思うのだけど、匿名的なものではエゴが満たしきない。どうしたって家族や恋人や友人などの半径5mを「投資」の対象にしたいが、半径5mには誰もいないというジレンマがある。

独りが辛くなるのは時間が育ててくれるものがなくなった時

 他者への「投資」がどういう影響を及ぼすのかは分からないけれど、すくなくとも僕とは関係ないところで何らかの変化が見込める。自作自演を続けても思いがけない結果に至るのは難しいし、自分の力で動く必要がある。これに対して、近しい他者は時間が経てば経つほど自律的に変化が蓄積していくから投資先として申し分ない。その結果として僕自身を振りきってさえも。

 独りが辛くなるのは時間が育ててくれるものがなくなったと気づいた時なのだ。自分だけの未来を見つづけていても、あまり楽しくないし、疲れてしまう。恋人と会えない時間に深まっていくものがあったり、子供の成長を見守ったりするのはそういう人生における倦怠期への特効薬になりえる。せめてその期待はさせてほしい。

他者は自分のためにいるわけじゃない

 男性の年収と女性の年齢が主な取引材料となる婚活市場はそのような費用対効果算定によってバランスすることもあるのだろう。近視眼的にみればCPS(Cost Per Sex)であり、長期的にみればCPS(Cost Per Satisfaction)か。どうでもよいけど。

 他者は僕のためにいるわけではないし、そんな感覚を抱いたらおしまいなのに、どこかで頭に描いてしまうであろう自分もいる。今夜も満足感のアウトソーシング先を探して街を彷徨うのは違うと自問自答しながらまっすぐ家に帰って布団に入る。寝ている間に育ってくれるものが無いことに絶望しながら。

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