太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

白金高輪「ひき肉少年」少年の見た夢〜合法的な行儀の悪さが許された店

挽き肉を食べたい

 挽き肉には不思議な魅力がある。そぼろご飯、タコライス、つくね、ミートボール、ハンバーグ。材料は形は違えど、ぼそぼそっとした食感に旨みと肉汁が詰まっているのは共通だ。肉をミンチにすることで調味料や舌に触れる面積を増やすことができる。

 ひき肉少年は白金高輪にあるオリジナルのひき肉ライス専門店。アメリカンな内装にはカウンター6席のみ。看板もよい感じ。

あの日みた少年の夢

 基本の「ひき肉ライス」が850円でトマト・ゆで卵・チーズがトッピングされる「少年の夢」が+150円の100円。ごはんの大盛りとスープが無料。パクチーをトッピングするかと聞かれたので、もちろん載せてもらう。ひき肉はチキン。

 タコライスを想像していたが、ハヤシライスともまた違う甘めのデミグラスソースのルウに様々な大きさに丸められたひき肉がごろごろ。スパイスも控えめで純粋に肉の味が楽しめる。ほぐしハンバーグに近いかもしれない。ライスは鶏ガラスープで炊いてあってルゥと合う。まさにがつがつとかっこめる。

合法的な行儀の悪さ

 特製にんにくタレやハバネロソースなどの味変調味料も充実。にんにくダレは粗びきのにんにくが唐辛子オイルに漬けられていて、これだけでご飯が何杯もいけそうになる。「食べる辣油」よりも、「食べるアヒージョオイル」の方が好き。正直、甘いデミグラスだけを食べ続けていてもちょっと飽きてしまうので、ハバネロソースやパクチーがありがたい。

 少年の夢トッピングも必須だろう。カイエンペッパーを入れれば激辛キーマカレーに早変わりするし、色々な味付けを楽しみながら大盛りのご飯を平らげた。煮込みチキンハンバーグをほぐしてデミグラスソースごとご飯にかけて、ニンニクやハバネロソースで勝手に味付けるなんてことを想像したら随時と行儀が悪いけれど、それはそれで少年っぽくてよいのかもしれない。合法的な行儀の悪さを提供してくれる店は貴重だ。