太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

Q.好きな人にはどうやってアプローチしますか? A.進研ゼミします

photo by rockcreek

質疑応答(ask.fmより)

好きな人にはどうやってアプローチしますか?

 ご質問ありがとうございます。出会い方にもよると思いますが、合コンとか紹介であれば、普通にLINEのやりとりをして、映画行ったり、ご飯を食べてという一般的なアプローチですね。まだ二人で会う感じじゃないなら複数人で遊べる会を開いて、さりげない好意アピールをしつつ行きたい場所をヒヤリングして次回の約束を取り付けてみるとかそんなものです。

 「インターネットを活用して息を吐くように口説く」なんて芸当が本当にできたらよいのかもしれませんが、実際的な話をするとインターネット経由でふたりで会おうと殆んど思わないんですよね。美人局とか怖いし、現実の雰囲気とか性格が分からない人に恋愛感情を抱いても互いに良い事ないじゃないですか。そっち方面のアプローチは全然分からないので、妙齢の女性からのアプローチをお待ちしております←。

恋愛は不完備情報情報ゲーム

 と、いうのが表向きの回答ですが、執着を感じてしまうと別のアプローチになってしまう事があります。これを書くと色々とやりづらくなってしまうのだけど、公開してしまいましょう。さよなら、はてな婚活。大前提として、恋愛はゲーム理論における「不完備情報ゲーム」であり、ある意思決定点において、その時点までの行動や状態が不完全に共有された中で選択をしていく性質を持ちます。

僕らはポーカーのような心理戦をしているのであって、詰将棋をしているわけではありません。ポーカーにおいては、どれだけ配られたカードが悪くてもブラフや演出によって結果を変える事ができます。

 先ご相談への回答でも書いた通り、恋愛の性質はポーカーであって詰将棋ではないので、手持ちのカードは入れ替わりますし、相手のカードは見えません。「包み隠さず全部を話し合って分かり合うべき」などと勝手に詰将棋ルールにしたい人もいますが、情報量が増えた状態で嘘を任意に混じらせることが可能という点では余計に複雑化した不完備情報ゲームとなってしまいます。

公表情報量と実態情報量の差分

 不完備情報ゲームにおいては、不確定な情報を確定させていく作業はもちろん重要なのですが、それ以上に「自分が何を知っているか?」の範囲(=公表情報量)にフェイクを混ぜていく事が重要となります。実際には知っている範囲(=実態情報量)について「知らない」と臆面もなく応えたり、確証がない事について既知のように振る舞って相手から情報を引き出していく事で、有利に進められるようになるのです。

 サブカルクソ野郎やオタク界隈においては、はじめて会ったはずなのに、ことごとくアニメや音楽の趣味が合ったり、自分好みの行動をしてくれる人を「運命の人」だと思いがちだったりもします。ここで重要なのは「天然物」だということです。「知らないから勉強するよ」という展開は次点であって、4月のある晴れた朝に100パーセント趣味が合う女の子と出会う奇跡を僕らは求めてしまうのです。

 つまり「ピッタリの二人」を演出するためには、「彼女の趣味は知らなかったけれど、同じものが好きだった」という過程が必要となります。つまり、二人で会う前から徹底的なリサーチと予習を行っておきながらも「事前に調べた」ことは絶対に悟られない事が重要となるということです。

あ、これ進研ゼミでやったところだ

 相手が好む趣味をリサーチして予習する事については「進研ゼミ」と勝手に呼んでおり、いつのまにか『ONE PIECE』を全巻持っていたり、最終的にタイバニの映画をひとりでも観に行くまでハマったり、BLにまで詳しくなったりしてきました。

オタクや文化系女子をターゲットとした婚活において、異性が好む作品を予習しておくこと。プロフィールを見た瞬間に感じる「あ、これ進研ゼミでやったところだ!」 から。

 リサーチの前段階として、まずはソーシャルメディアやブログを以下のような方法で特定します。ほとんどの人はTwitterぐらいはやっています。

 ブログは基本的に全記事を読んだ方がよいですが、初期の記事の方が重要だったりしますね。ソーシャルメディアの全内容を把握するのは流石に難しいのですが、直近の30日分ぐらいを読んでみると、なんとなく興味範囲や脈の有無や地雷性の把握などができます。その上で趣味や読んでいる本などについてある程度の会話ができるぐらいに進研ゼミをしておきます。

 余談ですが、ウォッチされている事が前提のはてな女子とは違って、合コンでの印象とか他との進捗状況をTwitterなどに仄めかして書いちゃうアカウントも意外に多いので、そこをセンチメント分析してアクティブサポートすればみたいな話もあるんだろうなとは思います。すでに「彼氏みたいな人」はいるんじゃねーかって凹むことのが多いですが。

相手の好きなものを理解したくなる欲望の先へ

 進研ゼミが進捗したら「最近オススメの漫画って何かある?」みたいな話で徐々に趣味が似てる感を出しつつ、「今度、○○の映画をやるよね」とか「○○カフェなんてのがあるけど、ひとりじゃ行きにくいな」みたいな感じでサブジェクト主体の誘い方をすると、既に恋人がいるとか生理的に嫌われていない限りはOKをしてもらえる気がしますし、当日も共通の話題で盛り上がれるので気まずくなることも少ないでしょう。

 ここで重要なのは「ニワカ」は逆効果なので、本気で読み込んでアツく語れるようにしておくことです。予習している話を振られたら「あ、これ進研ゼミでやったところだ!」ですね。そんなわけで、「相手の好きなものを理解したくなる欲望」が生まれない程度の相手には無理ですし、相手側も何かしらのオタクである事が前提の手法なんですよね。気持ち悪いですね。

 それは「コップの好みが最初から似ているから好きになる」という事ではなくて、「この人が良いと言ったものを理解したい」と自然と没入している自分に気付いた時に、僕自身の中にあった敬意のような感情が再認識されて内面化されるという事です。

 「そんな事をして作品を穢すな」と思うのも分かるのですが、この人が良いって言ってるんだから、本当に良いんだろうなと読み込んできたものだから、いつか終わりが来る恋であっても自然と後悔は少ないですし、結局本当に好きになっているんですよね。

 思い出して切なくなってしまう事もあるけれど、それをきっかけに別の人と出会ったりもしていて、計画的偶発性を引き起こしてきたような気もします。きっと僕は「仮名、頭をよくしてあげよう」と連れていかれた名画座によって出来ているのでしょう。以上でご回答になりましたでしょうか。

香菜、頭をよくしてあげよう

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