太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

Q.気になる男性に食事の誘いをはぐらかされ続けながらも1ヶ月間連絡を取りあっています A.恋愛は詰将棋ではありません

photo by Vector Hugo

質疑応答(ask.fmより)

初めまして!会社員の女です。 合コンで知り合った歳上の男性Nがいました。 何とも思ってなかったNを直感でいいなと最後に思い、うじうじしながらもっと知りたいと思いしばらくたってから連絡先を聞き1ヶ月間ちょいちょい連絡を取っています。 食事に誘いましたが断られ、しばらくしてまた誘い、乗ったと思ったら冗談のような感じではぐらかされています。 私の好意は気づいてるはずです。 断られても、連絡はしてくれるので望みを持ってしまいます。 一度の出会いで後々連絡きてぐいぐい行ってるので私の好意には驚いてると思います。 何なら貴方の~がいいと思ってもっと知りたいから会いたいと伝えたいのは山々なんですがww、Nが

(追記)メールには全文届いていました。失礼いたしました。

ノリのいいギャグ系の人なので重いかなーと。 今後どうしたらいいですか?諦めた方が?

 はじめまして。ご質問ありがとうございます。本当に恋愛相談が来ると思っていませんでしたが、最後まで読むと文章が「Nが」で終わるダイイング・メッセージでしたね。よって「犯人はNさん」だと回答したいところですが、以下につらつらと考えてみましょう。質問者様が陥ってるパターンはなんだか良く分かる気がします。

省電力モードの相手

 1ヶ月間も「好意に気づいている(=好きバレ)」状態でメールし合っているのに、二人で食事する事を断っている状態であるとすると、以下のような理由が考えられます。

  • 温度差に引き気味だけど、気分は良いので連絡だけは続ける
  • 食事をOKしたら、告白されそうだけど断るのは気が重い
  • 他と同時並行していて、水やりはしたいけど本命ではない

 上記のいずれもに共通するのは、男性側が「省電力モード」にあるということです。「省電力モード」になると、実際に出かけたり、リアルに向き合うのは億劫だけど、コミュニケーション欲求を満たすためにメールやLINEなどがやけに活発になったりもします。

温度差に引き気味だけど、気分は良いので連絡だけは続ける

 少なくとも僕自身は女性から何らかの連絡が来るのは嬉しいですし、連絡が途切れると送り返してしまう事が多いのですが、「それとこれとは別物」と思うようにしています。男女関係のゴールが見えているから話すのではありませんし、メールでのやりとりが盛り上がるとリアルで会うのが余計に億劫になることもあります。

 1回目の出会いは合コンとのことですが、それでもまだ幻想のが強いと思うのですね。2回目にじっくり話した時に失望したり/されたりして、急に連絡が途切れたりすると無茶苦茶凹むのですが、ありがちだという事も学習しています。体調や照明の違いや、お酒の魔力だとかの条件がたまたま上手くいってしまったという不安もあるのです。オンライン上で低コストにときめきが補充できるのに、リアルで会うといなくなってしまうかもと考えるのは憂鬱です。

 半年ぐらい長文メールを送りあっているのに未だに顔も知らないみたいな距離感がネット恋愛のいいところだとも思うのですが、その道筋がどこにも続かない事も互いに分かった上でのことだと思いますので、「その幻想をぶちのめす」ことで幸せになれるのかについて意識するといいでしょう。

食事をOKしたら、告白されそうだけど断るのは気が重い

 実際に「好きバレ」をしている時は、これが原因になる事が多いと思います。例えば、会うときに「家で夕飯を御馳走したい」であったり、イベントが終わったら終電なくなるのに「まだホテル予約してない」などと言われると、それをOKした瞬間に色々なコンボが成立しちゃうからヤダな〜コワいな〜と稲川淳二になってしまいます。流石に露骨すぎますが、それに通じるものを読み取ってしまう事があります。フット・イン・ザ・ドア・テクニックに警戒するあまり、フットにすらムカついてくるのです。

 全員がそうだとは言いませんが、「やっぱ違う」となった時に「その場で断る」のは非常に気が重いですし、そっちの方が傷つけるんじゃないかとかがあいまって、動物化するポストモダンになってしまう事もあります。なので「その状況に居合わせたら流されそう」と感じたら、外堀を埋められそうになる前段階で逃げてしまう人がいるのです。全部ファルスが悪い。外堀を埋められて嬉しい相手なら別ですが、まだ現状ではそうではないという事でしょう。「そんなつもりはない」と思うでしょうが、好意アピールの後に「二人で食事」の時点で、それに繋がる可能性をシミュレーションして勝手に凹むのが男……というか僕です。

 そのような警戒をされている場合には、複数人の飲み会を開いてもらって、そこで「偶然の再会」をする事が考えられます。そして飲み会の最初のうちは、そっけなく振る舞われて、安心半分・寂しさ半分にされつつ、席替えや二次会移動などのタイミングで踏み込まれると僕はオチます。 ← お前の話はしてない。

他と同時並行していて、水やりはしたいけど本命ではない

 コミュニケーションは積極的に取りたいけど、外堀を埋められて困る時というのは、他に良いと思っている相手がいると考えた方が自然な気もします。この場合は優先順位が外部要因によって変わるまで待つしかありませんが、自分自身も他の候補を見つけた方がよいとかとも思います。

 そもそも、温度差の問題は、片方だけが「この人しかいない」と思いこむことで発生します。その感情を互いに抱くことは奇跡的であって、熱くなりすぎてしまった側は負荷分散先を別に用意しないと余計に悪化してしまいます。「あなたしかいない」ではなく「あなたは、たくさん居る男性の中でたまたま暫定一位」というように見方や態度を変えていく事が必要なのだろうと思います。それは、Nさんとの関係がうまくいかなくても活きてくることです。

まとめ

 まとめると、リアルでグイグイ来られても嬉しい場合は限られているけど、メールなどのやりとりであれば楽だし、楽しいので続いてしまう事があります。なので「それとこれとは別物」という意識を持ちつつ、他のアプローチを考えた方がよいかと思いますし、押してダメなら引いてみる事も必要でしょう。内田百間はこんな短歌を詠んでいます。

世の中に 人の来るこそ うれしけれ とはいふものの お前ではなし

 Nさんも合コンに来ている時点で、普段は「彼女ほしいなー」と現実には存在しない「誰か」を待ち続けていたはずですが、それが急激に具体化すると「おまえじゃねーよ」と引いてしまうんですね。「お前ではなし」を回避するためは必然を埋めていくのではなくて、「偶然や不確定性を演出する」ことです。もちろん本当に偶然である必要性はありませんし、心変わりをする事もありません。

 僕らはポーカーのような心理戦をしているのであって、詰将棋をしているわけではありません。ポーカーにおいては、どれだけ配られたカードが悪くてもブラフや演出によって結果を変える事ができます。「メールで適当に相手をしておけば好きなままで居てくれるだろう」なんていう都合の良い関係は断ち切らないといつまでも進みませんし、それで終ってしまったとしてもスムーズに次にいけるでしょう……なんて事を自分によく言い聞かせています。つまり、犯人はNさんがうらやまけしからんかった僕だったのである。

ドッキドキ! LOVEメール

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