太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

20年ぶりに『ポケモンGO』の拡張現実世界に再召喚された僕はポケモンおじさんとして歩き続けることにした

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ポケモンGO最初の10日間

 『ポケモンGO』が日本でのダウンロードを開始したのは2016年7月22日。今日で丁度10日間となる。「まだ10日間」なのか「もう10日間」なのかはわからないけれど、面白さの黄金期がきていると感じる。モバイルバッテリーをかかえながら街を歩き続け、アイテムとポケモンをゲットして、ジムで攻防戦を繰り広げる。

Pokémon GO

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 ポケモンボールの投げ方すらわからなかった1日目。休日出勤で動けなかった2日目。貴重なアイテムを浪費して泣きそうになった3日目。ピジョンマラソンで一気にレベルアップした4日目。勤務先の近くにあるポケストップを回し続けたり、深夜徘徊をしながら徐々にレアなポケモンをゲットできるようになって、ジムで勝てるようになって、度重なるバグに怒って、チートの誘惑にも打ち勝って迎える二回目の土曜日。

はじめてポケモンの世界に召喚された20年前

 今年で34歳となる僕にとっての『ポケモン』は少しだけ世代から外れる。当時中学二年生だった1996年に発売された初代ポケモンですら「あれはガキのゲーム」というコンセンサスが強かったように思うのだけど、弟の貯金箱にゲーム財政を委ねていた僕にとっては貴重なゲームソフトのひとつであった。

 慢性的な金欠なのに同じようなソフトを2本も買うのなんて狂気の沙汰だったから買えた「緑」だけ。厨二病まっさかりで「ガキのゲーム」にハマっていたことを隠していたので「交換」「対戦」といったソーシャルな楽しさは味わえなかったのだけど、ゲンガーをLV99にした時にはちょっとした感動だった。結局のところでちびちび育成する系のゲームが好きなのだ。

 そこから、「金」「銀」ぐらいはやった記憶があったり、おはスタアニメ版のカスミにちょっとした性衝動を感じたり(同人誌もいっぱいあった)、飯塚雅弓とか大谷育江とかのアイドル声優との接続があったりとなんとなくは覚えているのだけど、朝に見る番組が『おはスタ』から『SAKUSAKU』になっていったように、だんだんと「自分ごと」ではなくなっていた。そうか、あれは20年前のことだったのか。

真夏の新宿御苑を歩き続けるポケモンおじさん

 20年ぶりに『ポケモンGO』に召喚された僕は既におじさんになっていたのだけど、相変わらずのコラッタやポッポがいて安心する。20年前は用もないのに街を歩きまわったら怒られたものだけど、健康診断で「定期的にウォーキングをした方がよい」と言われている僕は仕事が終わった深夜にこそ大手を振って歩ける。居酒屋もインターネットも控えて歩き続ける。

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 土曜日にはピカチュウやブーバーがいると噂の新宿御苑に向かう。花見のためには入らなかった公園なのに、ここにはレアなポケモンがいるという情報だけで入園している自分がいる。カップルで来たかったけれど。

 首や腕を真っ赤に日焼けしながら吹き出す汗を拭う。そこら中にポケモンをやっているらしき若者たちがいるけど、事案になってしまうから声をかけたりはできず。いい年になっても魚釣りとか虫取りとかを得意気に教えるアレなおじさんになることはないと思っていたけど、ポケモンおじさんとして拡張現実世界に呼び戻されてしまった。

後ろめたさを感じていたゲームからオープンでソーシャルなゲームへ

 それでも現代にはSNSがあるし、よい歳をした大人達も『ポケモンGO』をプレイしているから話題には事欠かない。20年前には友達に隠しながら孤独に進めるゲームとしてしか消化できなかった僕にとってのポケモンが、オープンでソーシャルなゲームにアップデートされてプレイできるのは非常に嬉しいし、歩きまわることは健康によいというギルティフリー感まで満たしてくれる。

 いつか飽きてしまう日もくるのだろうけれど、また20年後にはポケモンじいさんとして再々召喚される何かが出来上がるのかもしれない。それはともかく、20年ぶりに『ポケモンGO』の拡張現実世界に再召喚された僕はポケモンおじさんとして歩き続けることにした。