太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

天下一品の「こってり」はスープカレーである

天下一品では白飯を頼む

 天下一品では、こってりラーメンとライスを頼むのが定番である。天一の日によるラーメン無料券を使う時でも白飯は注文する。半チャーハンセットも捨てがたいが、シンプルな白飯のがよい。主役は何人もいらないし、僕が求めているのは口内調理による味の複雑化なのである。

 辛味噌をスープに置き、ごはんをすくったレンゲでスープインし、ご飯がスープと絡まりあった三位一体を口の中に運ぶ作業を繰り返す。これはスープカレーにおける「ざるそば食べ」である。スープカレーはご飯をスープにくぐらせることで飛躍的にうまくなる。そう考えていくと、天下一品はスープカレーなのではないかと思えてきた。

天下一品スープカレー説

 「こってり」のスープは箸が立つぐらい濃厚とはいえ、小麦粉カレーと比較すればスープらしいスープであるし、辛味噌と鶏と野菜による味の性質もスープカレーに似ている。あのドロドロは鶏皮や鶏足から煮出したコラーゲンなのだが「鶏卵が入っている」と誤認されがちなのは因縁めいたものを感じる。刺しが充分に入った牛肉に牛乳のような風味を感じた時にように。

 大きく切られたスープカレーの具材と、天下一品の柔麺の違いはあるが、主食はあくまで白飯であり、麺は具材と見なせるのではないか。沢庵は福神漬けである。つまり、口内調理による味の複雑化という観点以外においても両者は近しいところにあり、天下一品の「こってり」と白飯は国民食の二大巨頭たるラーメンとカレーをハイブリッドにした至高の一品なのである。

 そんな力説をしている僕を眺める君は微妙そうな顔をしていて、少しヒリヒリとする口の周りを撫でる空気が冬の深まりを伝えていた。